こんにちは。もぎです。
仕事でなかなか成果が出ずに悩んだ経験はありませんか?
成果が出ないのは、あなたの「完璧主義」な性格がマイナスに働いてしまった結果かもしれません。
ビジネスにおいては、手持ちの少ない情報から何らかのアウトプットを出さなければいけないことが多々あります。
そんな時に、「情報がない」から、「時間がない」から、「人がいない」から、「お金がない」からと、ないことばかりを探していませんか?
前回ご紹介した創造型思考ができない人の口癖が、この「〜がない」です。
無意識に「〜がない」を多用している人は要注意、知らず知らずのうちに、この「ないない病」にかかっている可能性が高いです。
そうではなく、「今ある情報でできること」、「今ある時間でできること」、「今いる人でできること」、「今あるお金でできること」を考えられるように癖をつけましょう。
そのために必要な思考法が「仮説思考」です。
具体的に説明していきます。
完璧主義者はなぜ仕事ができないのか
完璧主義が力を発揮する場面
完璧主義は悪いことではありませんが、使いどころを間違えると仕事の進みを鈍化させる可能性があります。
例えば、何かの提案書、プレゼンテーションなどを作る場合に、既に「90点」までできているものを「100点」に持っていくような仕事の場面においては、完璧主義者は力を発揮します。
しかし、目指すべきゴールも、そこにたどり着くための道筋もわからないような仕事の場面においては、完璧主義者のやり方はマイナスに働いてしまいます。
そして残念ながら、ビジネスマンとしての真価が問われる重要な仕事の場面としては、後者の状況であることが圧倒的に多いです。
前者を完璧主義型、後者を非完璧主義型とした時、両者の仕事の進め方は正反対になります。
完璧主義型と非完璧主義型の仕事の進め方の違い
✔︎完璧主義型
- 一つずつ着実に前に進める
- アウトプットは手直し無しの一発勝負
- 資料は見やすく、綺麗に
- 何らかの「答え」を出すための答え
- 「何がわかっているのか」を明確にすることが大切
✔︎非完璧主義型
- まずはラフに全体像を把握する
- 何度も直してブラッシュアップする
- 資料はラフに
- 「問い」のための答え
- 「何がわからないのか」を明確にすることが大切
一見しただけで、両者の仕事の進め方が正反対であることがお分りいただけるでしょう。
仕事は、何も決まっていない状態から始まって、大枠となる方針が決定し、だんだんと具体化していくという流れをたどります。
仕事を上手くこなす人は、最初のうちは「非完璧主義型」で推進し、最後に近づくにつれて「完璧主義型」の進め方に移行する、という具合にこの両者の進め方を時と場合によって使い分けています。
仮説思考=今ある情報で「20点の答え」を出すこと
仮説思考と非仮説思考
仕事において最初の時期は、全体像を大きくつかむことが大切です。
手元にある情報、リソースだけで状況を整理する代わりに、最短納期で20点の回答を出すような頭の使い方が仮説思考的な頭の使い方といえます。
一方で、仕事は終わりの段階に行けば行くほど、形式化・標準化されていきます。
このような仕事は「ミスのないこと」が最も重要な使命ですが、人が行うよりも機会が行った方が確実で効率的なのは言うまでもありません。
こういった仕事が非仮説思考的な仕事といえるでしょう。
仮説思考と非仮説思考のアウトプットの違い
✔︎非仮説思考(完璧主義型)
- 最後に結論を出す
- 完璧主義
- 正確さ重視
- 全ての情報を集約して十分に時間をかける
✔︎仮説思考(非完璧主義型)
- 結論から考える
- 非完璧主義
- スピード重視
- 限られた時間と情報で最善の答えを出す
ある程度やり方が決まっているような標準化された仕事の仕上げ段階においては、仕事の方向性の擦り合わせは必要ないため、何度もやり取りに時間を費やすよりも黙々と仕事の精度を上げることが重要になります。
こういった場面では非仮説思考の進め方が有効です。
対して仮説思考の仕事は、まず短時間で大まかな答えを出した上で、短いサイクルで何度もやりとりをしながら精度を上げていくというやり方です。
初期のうちに上司・クライアントと方向性の擦り合わせを行わないと、いざ回答が必要なタイミングで重要な意思統一ミスが発覚し、全て無駄になる/大幅な修正が必要になるといったことになる可能性があります。
そういった後戻りを回避するためにも、仮説思考型のやり方が奏功します。
仮説思考(今ある情報から20点の答えを出す)方法
完璧主義者が仮説思考をしようとした時に直面するのが、「曖昧な状態」のまま物事を前に進めたり、不完全な計画・資料を上司やクライアントに見せることへの心理的な抵抗感です。
仮説思考に慣れていない人は、どうしても限られた時間と情報のみで何らかの仮説を組み立てることができず、「もう少し精度を上げてから話そう」を思っているうちに締め切り直前になってしまいます。
そうすると、上司・クライアントの期待値とのギャップが手遅れのタイミングで発覚することになります。
ではこういった事態を避けるためにはどうしたらよいでしょうか。
いくつかコツをご紹介します。
その場でとにかく形にしてみる
1つめのコツは、限られた時間と情報で依頼された場合に、「その場で」とにかくわかっていることを形にしてみることです。
時間と情報がない時ほど「まずは調べるための時間をください」と言いたくなりますが、すぐに第一弾としての答えを出してしまった方が良いです。
時間がたつほど依頼者の期待値は上がり、その割には悩んでいる側の成果が上がらないため、期待値のズレが大きくなり、より仕事ができないと判断されてしまいます。
究極的には、依頼者から依頼を受けたタイミングで「その場で」最終的なアウトプットのイメージを合わせることが重要です。
依頼を受けた瞬間であれば、まだボールを持っているのは”依頼者”です。
この時点であれば、的外れな質問や問いかけをしても、依頼者は「自分の依頼の仕方が悪い」と思うので、そこまで依頼を受ける側へ矛先が向きにくいでしょう。
答えを出そうとせずに「質問」をたくさん出す
仮説を考えるときに、汎用的に使えるのが「5W2H」(Who, When, What, Why, Where, How, How many)です。
これにしたがって質問をして最低限の情報を集めることができれば、どんな職種のどんな場面においても考えるきっかけをつかめるでしょう。
以上の2つのコツで出した仮の答え(仮説)はあくまでも修正するための第一弾なので、今後何度も手を加えて手直しすることが前提です。
極論を言ってしまえば、この段階ではどんなに非現実的でもウソでも構いません。
情報がないからといって立ち止まらずに、限られた時間で答えを出してみることで、ゴールまでの大まかなストーリーができ、最終目的まで効率的に仕事を進めることができます。
仮説思考による仕事の進め方 まとめ
いかがでしたでしょうか。
仮説思考に慣れていない人は、難しく考えてしまうでしょう。
しかし、実際にやっていることは以下の3点だけです。
- 今ある情報だけで、最も可能性の高い結論(仮説)を想定する
- 仮説から、不明瞭な疑問や課題を発見し次のアクションを明らかにする
- 情報の精度を上げながら検証を繰り返し、仮説を修正する(↪︎1.に戻る)
このような思考パターンを繰り返していくことで、仮説思考は自然と身についていきます。
少ない時間、情報の中で一つの答えを出すことはとても難しく感じるかもしれません。
ですが、刻々と市場や経済、社内外の環境が変化していく中で、完璧な準備をすることなどそもそもできるのでしょうか。
いつまでたっても、100%の準備が整う日など永遠に訪れません。
このことを理解した上で、仮説思考の仕事の進め方を実践いただければと思います。
それでは、本日も最後までご覧いただきありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう。
本日もお疲れ様でした。
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