こんにちは。もぎです。
以前の記事で、”サンクコスト効果”という経済学用語とその効果についてご紹介しました。
例のごとく、投資の世界においてもこの効果に嵌まって損失を生み出し続けてしまうことが多くあります。
それでは、投資の世界においてこのサンクコスト効果に惑わされずに資産運用をするにはどうしたら良いか、具体的な対策についてご紹介していきます。
(復習)サンクコスト効果とは
サンクコスト効果とは、過去に発生したコストに縛られて、現在~未来の選択において合理的な判断ができなくなってしまう心理効果です。
サンクコストとは、「過去に発生しており、取り返すことのできない金銭的、時間的、労力的なコストのこと」を指します。
例えば、
- 長い行列に並んだ時に、これまで並んだ時間をもったいないと感じ、並ぶことに確たる理由もないのにその行列から抜け出せない
- 多くの時間とお金をかけてアイテム取集などを行なったゲームにおいて、飽きてきたにも関わらずなかなかやめることができず、惰性で続けてしまっている
- UFPキャッチャーなどで、投資したお金が惜しくやめどきを見失う
などが挙げられます。
何か選択を迫られた時に、「せっかく○○したから〜」、「もったいない」、という思考が頭によぎったならば、サンクコストがあなたの判断に影響をしていると言えるでしょう。
この効果のことを、心理学では”コンコルド効果”とも呼びます。
この呼び名は、イギリスとフランスが共同開発した同名の超音速旅客機が由来となっています。
1970年代に巨額の開発費用を投資して開発されましたが、その高すぎる開発コストと利益で採算が取れないことがのちに判明。
4,000億円と言う巨額の赤字を計上したにも関わらず、それまでの費用や時間を回収しようとこだわり続けたことに加え、責任問題の押し付け合いをしながら開発を継続した結果、累損は数兆円にものぼり、ついには倒産してしまった。
という実際にあった事例です。
サンクコスト効果は人間の大人特有の心理効果
サンクコスト効果、コンコルド効果、呼び方は違えど概要は同じです。
誰でも一度は経験したことがありそうな状況ですが、これらの心理状態は幼児や動物には無い感情で、損得勘定のはたらく大人にのみ起こるものだそうです。
考えてみたら当たり前ですが、幼児や動物は「やってみて上手くいかなかったら他の方法に切り替える」ということをごく自然に行なっています。一つのやり方に固執することはありません。
一方で我々大人は、これまでに費やしたコストや損得の計算ができるがゆえに、「損をしたくない」、「元を取りたい」と必要以上に色々と計算したりして、感情的になっているのでしょう。
サンクコスト効果による損失拡大を抑制するためには、感情的な計算をしている頭を切り替えて、もう少し正しい判断をするように意識を切り替える必要がありそうです。
サンクコスト効果に陥らないために
「元を取りたい」との思いから、分の悪い投資を続けたり、一縷の望みをかけてポジションを持ち続け、だらだら惰性で継続することが最も合理的でない選択です。
サンクコスト効果に陥っていると気付いた時に取るべき選択は一つ。
過去を切り捨て”今”を見つめることです。
もしかしたらあなたの持っているポジションは一時的に損失を出しているかもしれませんが、将来的には利益となるかもしれません。
そのような判断に迫られた時、過去を切り捨て、真っ白な状態で今のあなたの状況と向き合った時に、あなたがどのような選択を取るかを想像してみましょう。
真っ白な状態で俯瞰して観察した時に、それでもあなたの保有しているポジションを握り続けるのであれば、そのまま保有しても問題ありません。
しかし、少しでも分が悪い、先が怪しいと感じた場合はすっぱりと諦めて損切りすることです。
これまでに費やした時間も費用も、全てを切り捨てて、未練も執着心も断ち切ることしかありません。
それができないと、いたずらに損失を拡大し続け、気付いたら退場という自体になってしまいます。
サンクコスト効果に惑わされない投資術 まとめ
いかがでしたでしょうか。
投資の経験者であれば誰もが一度は経験したことがあるでしょう。
わかっていてもやめられないものですが、対策は他にありません。
さらに厄介なことに、人は非合理的な選択に魅力を感じてしまうものです。
「100万回ダメでも、100万1回目に成功するかもしれない」、そんな言葉も有名な歌で歌われており、諦めずに継続すること、信じ抜くことは美徳とされています。
しかし、投資の世界においてはこれはレアケース。
サンクコストはそう簡単には回収できないのが世の理です。
過去にとらわれることなく、現在と未来を見据えた選択ができるようになりましょう!
それでは、本日も最後までご覧いただきありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう。
本日もお疲れ様でした。
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