第2回:使われるブドウの品種は?代表18種を解説【ワインの基礎知識】

お酒

こんにちは。もぎです。

 

お酒は好きだけどめっぽう弱い、元バーテンが大好きなお酒について発信しています。

 

さて、短期集中連載としてワインについての基礎知識をテーマにいくつか連続で記事にしています!

第2回のテーマはワインの定義と種類についてです。

 

前回の記事はこちらからどうぞ^^

 

それでは早速、いってみましょう!




 

ワインに使われるブドウは生食用と何が違う?

良しとされている特徴そのものが違う

同じブドウですが、ワインに使われるブドウと普段私たちが食べている生食用のブドウとではその特徴が大きく異なります

 

ワイン用のブドウは粒が小さく、種が大きく、皮が厚いものほど良いブドウとされています。

これに対して、私たちが普段食べているブドウは、粒が大きく、種がなく、皮の薄いものがいいブドウとされています。
一部、デラウェア種のように粒の小さいブドウもありますが、ワイン用のように皮は厚くないですよね。

 

どうしてこんなにも違いがあるのでしょう?

 

前回の記事をご覧になられた方はもうご存知と思いますが、これにはワインの味の決め手になるタンニン(渋み)や酸味が関係しています。

 

皮や種に多く含まれるタンニンなどがワインの良し悪しを決める

ワインの渋みを出すのに重要なタンニンなどは果皮や種子に多く含まれるため、生食用の種がなく皮の薄いブドウはワインに向かないのです。

また、生食用のブドウは果実の部分が多くみずみずしいですが、この特徴により渋みや酸味が薄くなったり、香り成分が損なわれたりするため、ワインづくりにおいてはマイナスになってしまいます。

 

糖度はワイン用の品種の方が上?

ワインのアルコールは、ブドウに含まれる糖分が発酵することで発生するため、ワイン作りにおいて糖分は必須要素です。

果皮や種子が大きく、果実に含まれる水分は少ないため、糖分は一粒一粒に凝縮されており、糖度はワイン用のブドウ品種の方が高いです。

 

ちなみに、ワイン用のブドウはそのまま食べることもでき、とても美味しいそう。

いつか食べてみたいものです^^

 

ワインに使われるブドウ:代表品種6種

ワインに使われるブドウの主要品種は約100種類ほどあります。

まずはメジャーな6種類をご紹介しましょう!

 

【赤ワイン】カベルネ・ソーヴィニヨン

黒ブドウの王様”とも呼ばれ、赤ワイン用のブドウとして最も有名な品種です。

たくましいボディとしっかりした骨格を持ち、生育される場所によって多彩な一面を見せます。

 

他の品種と比べて色が濃く、タンニンも多いため、長期間熟成することによって豊かな香りと複雑味が加わるのが特徴です。

 

代表的な銘醸地のフランス;ボルドーでは、酸味のインパクトが強い超高級ワインになる一方、カリフォルニアでは果実味がストレートに伝わる飲みやすいワインになります。

 

✔︎味: 渋み、果実味が強く、余韻が後引く。
熟成することにより、タンニンの渋みと酸味のバランスが良い深みのある味わいになる。
✔︎香り: インク、ヒマラヤ杉、カシス、胡椒など、
華やかな香りが多い。
✔︎主な産地: フランス(ボルドー)/アメリカ(カリフォルニア)/オーストラリア/チリ/アルゼンチン/南アフリカなど

 

【赤ワイン】メルロ

”ビロードのような舌触り”とも称されるなめらかさが魅力です。

 

ワイン用ブドウにしては粒が大きく果皮が薄いため、色の濃さに反してタンニンがきめ細かく、まろやかなワインに仕上がります。

糖分を多く含むのでアルコールが豊かな柔らかい味わいになることが特徴です。

カベルネ・ソーヴィニヨンとブレンドされることが多く、酸味やタンニンによる渋みを柔らかくして熟成を早める効果も。

 

冷涼で湿度が高い気候でも育つため、栽培面積では常にトップを争うほど世界中で広く栽培されています。

 

✔︎味: ふくよかなボディとなめらかな口当たり。
渋味は柔らかく、果実味豊かでコクのあるまろやかな味わい。
✔︎香り: プラムやダークチェリーなどの赤黒い果実香。
熟成すると腐葉土やキノコのような香りへ変化。
✔︎主な産地: フランス/イタリア/チリ/アメリカ/日本(長野)など

 

【赤ワイン】ピノ・ノワール

最大の魅力は優しくも複雑に重なる豊満な香りです。

いちごやチェリーのような果実に似た香りは、熟成によって枯れ葉やジビエのような印象に深化します。

 

タンニンは少なめで酸味が強く、高級感のある味わいです。

 

ブドウの果皮が薄く繊細なため、カビに弱く栽培が困難と言われています。

わずかな気候の変動にも敏感で、産地の個性が味に反映されやすく、当たり外れも大きいのが特徴ですが、当たれば、「ロマネ・コンティ」のような最高級ワインを生むこともあります。

 

✔︎味: 口当たりは穏やかでソフトな舌触り。
果実味が豊かな一方、酸味が強くドライな印象。
✔︎香り: いちごやチェリーのようなフルーティーな香りにミネラルのニュアンス。
熟成によってなめし皮やジビエのような香りに。
✔︎主な産地: フランス(ブルゴーニュ、アルザス)/アメリカ(オレゴン)/ニュージーランド/オーストラリアなど

 

【白ワイン】シャルドネ

フランス原産の品種で、白ブドウの中ではトップの人気を誇ります。

 

気候や土壌によってさまざまなフレーバーに変わるため世界中で栽培されており、フランスのブルゴーニュでは最高級の辛口白ワインを生み出すことで有名です。

冷涼な産地では青リンゴやライムのようなフレッシュな味わいに、温暖な産地で樽を使って醸造するとトロピカルフルーツのようなリッチな味わいに化けます。

 

病害やカビに強く、秋の寒さがやって来る前に収穫できる早生品種の一つです。

 

✔︎味: 果実味豊かで、酸味は比較的やわらか。
アルコールは強めで、フルーティな風味とミネラル感が口いっぱいに広がる。
✔︎香り: 青リンゴや柑橘類などのフレーバーに富んでいる。
樽を使用したワインは、バニラやトーストのような香りを感じられる。
✔︎主な産地: フランス(ブルゴーニュ)/アメリカ(カリフォルニア)/オーストラリア/チリ/日本(長野)など

 

【白ワイン】ソーヴィニヨン・ブラン

ライムやレモンなどの柑橘類の香りにハーブのニュアンスが加わった独特のアロマが特徴です。

 

酸味が強めのフレッシュな味わいで、ブドウの成熟度が高くなると果実味が上がります。

色は透明感のある緑がかった黄色ですが、熟成することで濃い黄色になり、まったりした余韻が加わります。

 

フランスのボルドーロワールでは白ブドウの主要品種として栽培されています。

また、ニュージーランドでも作付面積が大幅に増えており、シャルドネに次ぐ人気品種となっています。

 

✔︎味: シャープな酸味と爽やかな後味。
冷涼地ではハーブのフレーバーが強く、温暖な産地では果実味が豊かになる。
✔︎香り: 青草やハーブ、ライムやレモンのような清涼感たっぷりの香り。
温暖な産地ではトロピカルフルーツのような香りにも。
✔︎主な産地: フランス(ボルドー、ロワール)/イタリア/オーストラリア/ニュージーランドなど

 

【白ワイン】リースリング

ハチミツや白い花、りんごなどを連想させる甘美なアロマを放ち、ピュアな酸味とバランスのとれた甘みで多くの人を魅了します。

 

銘醸地のドイツでは、貴腐ワインやアイスワインなどの甘口ワインに使われることが多く、糖度が高いほど品質として格が上がります。

近年は、フランスのアルザスなどでシャープな辛口タイプに仕上げたワインも登場しています。

長期熟成にも耐えられる豊かな酸を持つ品種で、ポテンシャルも高いと言えるでしょう。

 

✔︎味: シャープな酸味を感じられる。
辛口だとタイトで鋭く酸味が立つ一方、甘口だとフルーティで甘酸っぱい印象。
✔︎香り: レモンやグレープフルーツ、青リンゴ、洋梨のようなフルーツの香り。
土壌や気候によっては、ミネラルの香りが増す。
✔︎主な産地: フランス(アルザス)/ドイツ/オーストラリアなど

 

 

世界中で栽培される有名品種12種

代表的な6つのブドウ品種を押さえたら、ワインの基本はもう押さえたも同然です。

しかし、ブドウの品種を知っていれば知っているほどワインの楽しみ方はさらに広がり、面白くなります

 

世界中でワイン用に育てられているブドウ品種はおよそ1,000種類あり、その中でも主要な品種は100種類ほどあります。

全てを覚えるのは不可能ですが、日本で流通している品種はある程度限られています。

 

以下の12品種は世界中で栽培されている王道の国際品種や、国内で手に入りやすい品種など日本人に馴染みの多いものです。

【赤ワイン】カベルネ・フラン

フランスのボルドーが原産。

軽やかなボディと、ハーブや土っぽい香りが特徴で、酸味を中心にしなやかな渋みがあります。

 

主にカベルネ・ソーヴィニヨンメルロとブレンドされることが多く、なめらかな口当たりに定評があります。

 

【赤ワイン】テンプラニーリョ

スペインを代表するブドウ品種で、同国の高級ワインの骨格をなします。

クランベリーやダークチェリーの香りがあり、熟成樽によってはチョコレートやなめし皮のような香りを伴うことも。

かすかな酸味とまろやかな口当たりが魅力です。

 

【赤ワイン】サンジョヴェーゼ

イタリア全土で愛される品種で、イタリアワインの代名詞でもある「キャンティ」などに使用されます。

 

濃いルビー色でしっかりとした骨格とボディを持ち、完熟しても酸味が強くドライな味わいです。

フルーティーな果実香と香辛料のようなスパイシーな香りをあわせ持ちます。

 

【赤ワイン】シラー(シラーズ)

温暖で乾燥した気候を好む品種です。

オーストラリアでは「シラーズ」と呼ばれ、凝縮感のあるパワフルな味わいが特徴です。

 

ローヌではスミレや皮革の香りがする一方、オーストラリアではプルーンやビターチョコレートのような風味を味わうことができます。

 

【赤ワイン】ジンファンデル

カリフォルニアで栽培されている主要品種です。

アルコール度数が高く、濃厚な果実味とスパイシーな後味でインパクトがあります。

プラムやカシスリキュールのような華やかな香りも魅力です。

 

ロゼにすると甘口になり、驚くほど優しい印象に変貌します。

 

【赤ワイン】マスカット・ベーリーA

新潟の栽培家である川上善兵衛氏が、1927年にベリー種にマスカット・ハンブルグを交配した日本の固有種です。

病気に強く、湿潤な日本にも順応しました。

 

イチゴキャンディーのような甘くフルーティーな香りがあり、軽やかで親しみやすい味わいです。

 

【白ワイン】ピノ・グリ

ピノ・ノワールの突然変異で生まれた品種で、イタリアでは「ピノ・グリージョ」と呼ばれています。

フランスのアルザスでは豊かなボディに、イタリアでは軽やかな味わいに変わります。

ハチミツのような香りとシャープな酸味が特徴です。

 

【白ワイン】セミヨン

甘口ワインの原料に欠かせない品種です。

香りや酸味は控えめなものの豊かなボディを持ち、辛口でも甘口でもしっかりとした味わいに仕上がります。

 

個性的な味わいを持つソーヴィニヨン・ブランとブレンドされることが多いです。

 

【白ワイン】ゲヴュルツトラミネール

ライチやパイナップルなど、香りだけで判別できるほどのはっきりした個性があります。

酸味は少なく、ほんのり苦味を感じるどっしりとした口当たりで、豊満でコクのある味わいです。

 

極甘口のデザートワインや、早飲みタイプのワインに使われることが多いです。

 

【白ワイン】ミュスカ

みずみずしく爽やかな酸味とフルーティな味わいが特徴で、甘口ワインに使われることがほとんどです。

マスカットやメロンのような甘い香りを放ち、甘口ワインや弱発泡性ワインなど軽やかなワインが仕上がります。

 

【白ワイン】シュナン・ブラン

長期熟成可能な完熟の甘口ワインと、酸味の強い早飲み用の辛口ワインの二面性を持ちます。

ハチミツのような甘い花の香りが特徴的で、酸のレベルも高いです。

 

熟成することでまったりとした甘みを余韻に感じることができます。

 

【白ワイン】甲州

元は生食用として育てられていた、1,000年以上の歴史がある日本の代表的な品種です。

青草やメロンのような香りとほのかな酸味で、飲みやすい軽やかなワインに仕上がります。

 

果皮が赤紫色で、果汁に浸す時間が長いとうっすら赤みがつきます。

 

ワインに使用されるブドウの品種は?まとめ

いかがでしたでしょうか。

どこかで聞いたことのある名前も多かったのではないでしょうか。

 

世界中で栽培されているブドウの約80%ほどがワイン用のブドウと言われ、実は生食用のブドウの生産量の方が少ないのをご存知でしたか?

それほどまでに世界では多くのワイン用のブドウを生産、消費していると考えると膨大な量ですよね。

これを機に、いつも飲んでいるお気に入りのワインの品種や産地をチェックしていただけると、自分の味覚がどのようなブドウを好んでいるのか、傾向が見えてくるかもしれません^^

 

本記事を通して、少しでもワインに興味を持っていただけたら嬉しいです。

 

それでは、本日も最後までご覧いただきありがとうございました。

また次回の記事でお会いしましょう。

 

本日もお疲れ様でした。

コメント

  1. […] […]

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